Excelを使用して統計分析を行う際、特定の確率分布に関連する関数を理解することは非常に重要です。
BETAINV関数は、指定されたβ分布の累積確率密度関数の逆関数の値を返す関数で、プロジェクトの完了予測などに活用できます。
本記事では、BETAINV関数の基本的な使い方から具体的な使用例、トラブルシューティングまでを詳しく解説します。
BETAINV関数の使い方
BETAINV関数とは
BETAINV関数は、指定されたβ分布の累積β確率密度関数の逆関数の値を返します。
つまり、確率 = BETADIST(x,…) の場合、BETAINV(確率,…) = x となります。
この関数は、プロジェクト計画などで期待される完了時間と公差を指定して予想完了時間をモデル化する際に使用されます。
関数の構文は以下の通りです。
=BETAINV(確率, α, β, [A], [B])
各引数の説明は以下の通りです。
- 確率: β分布における確率を指定します。
- α: 確率分布のパラメーターを指定します。
- β: 確率分布のパラメーターを指定します。
- A: xの区間の下限を指定します(省略可能)。
- B: xの区間の上限を指定します(省略可能)。
AとBの値を省略した場合、標準の累積β分布(A = 0、B = 1)が使用されます。
BETAINV関数の使用例
前提
あるプロジェクトの完了予測期間が、最短10日、最長30日であり、完了期間の分布はα=2、β=5のβ分布に従うとします。
確率が0.5(中央値)のとき、完了までの推定日数を求めます。
Excelの式:
=BETAINV(0.5, 2, 5, 10, 30)
結果
この計算により、中央値としての予想完了日数が導き出されます(約16~18日程度)。
BETAINV関数のトラブルシューティング
エラーの原因と対処法
- #VALUE! エラー: 引数に数値以外の値を指定した場合に発生します。すべての引数が数値であることを確認してください。
- #NUM! エラー: α ≤ 0 または β ≤ 0、確率 ≤ 0 または 確率 > 1 の場合に発生します。引数が適切な範囲内にあることを確認してください。
BETAINV関数のまとめ
BETAINV関数は、β分布の累積確率密度関数の逆関数を求める際に有用な関数です。
適切な引数を指定することで、プロジェクトの完了予測など、さまざまな統計的分析に活用できます。
ただし、Excelの新しいバージョンではBETA.INV関数が推奨されているため、今後の使用を検討する際には注意が必要です。
BETAINV関数の使い方を理解し、適切に活用することで、Excelでの統計分析の幅が広がります。
コメント